鮮やかな先制ダッシュで主導権

 勝てば史上初の予選ラウンド2位でのエイトファイナル進出となる大事な一戦で日本は最高のスタートを切った!
 いきなりキャプテン藤川のカットインで7mスローを奪い、これを安平がきっちり決めて先制点を奪うと、山口の速攻、安平の絶妙なノールックパスを受けた吉田のポストシュート、そして藤川の速攻と続いて開始4分までに4ゴールを連取。

 なによりディフェンスが光った。高い位置でプレッシャーをかけて正面でアタックする一方、フォローディフェンスも素晴らしく、相手にシュートまで持ち込ませずにオフェンスミスを誘った。
5分過ぎには左腕・治田のサイドシュートも決まり、たまらずマケドニアベンチがタイムアウトを要請する。

 再開後、可児の速攻で6点目をゲットし、ダブルスカイの失敗からマケドニアに初得点を許したものの安平のステップシュートで7−1。
10分過ぎにはマケドニアの右サイドシュートに可児の足が引っかかって退場となり、GKを下げた6人攻撃でミスが出て2点を失ったが、それでも清水、山口の連続速攻で主導権をがっちりとキープ。大きなピンチを招きかねないこの場面で、少しもあわてずプレーする選手たちがじつに頼もしかった。

60分間集中切らせず優位をキープ

 4分過ぎにはポスト吉田へのキラーパスを2本通し、藤川の果敢なカットインで得た7mスローを決めるなど、鮮やかすぎる安平の活躍で12ー6。このあとマケドニアに2本のサイドシュートを許すが、榎本のミドルや安平の7mスロー、山口のリバウンドシュートなどで26分15ー9と快調に飛ばした。

 このまま先行を続けたい日本だが、マケドニアにもヨーロッパ勢で開催国の意地がある。7mスローを含む2本のシュートを決められ、さらに日本のスカイプレー速攻がラインクロスとなって絶好の得点チャンスをつぶしてしまう。

 この嫌なムードを断ち切ったのがGK石濱だ。ノーマークになったマケドニアのサイドシュートをファインセーブでしのぎ、そのまま15ー11と4点リードして前半終了。スタンドを埋めた地元サポーターから大きなため息がもれた。

後半も絶好の立ち上がりで波に乗る

 さあ後半だ。マケドニアのスローオフで始まった攻撃でロングシュートをしっかり守ったあと、可児が思い切りよくカットインゴールを決めて16ー11とし、さらに安平から吉田へのパスプレーがまたも決まった。この間にはマケドニアのオフェンスファールやサイドシュートをシャットアウトしたGK石濱の活躍もあり、後半も絶好の立ち上がりとなった。

 35分過ぎにはマケドニアにロングで1点返されたものの、少しもひるまず左腕エースの蔦谷が豪快なロングシュートを決めて18ー12。コート、ベンチ全員の気持ちを奮い立たせる値千金の一投と言えた。
さらにリバウンドボールがノーマークになっていた山口にピシャリと通って19点目が加わった。

 このあと吉田のポストシュートが2本阻まれるなどした間に3点を奪われて9分19ー15。しかも司令塔の安平がマンツーマンでマークされていた。

しっかり前を向いて積極果敢に!

 しかし、ここでも植松ユースJAPANはしっかり前を向いて戦った。藤川のカットイン、可児の速攻に、石濱から代わったGK高木の好セーブもあって11分21ー15とし、マケドニアに1点を返されるが、藤川のカットイン、可児の速攻で連取して17分23ー16とこの試合最大の7点差をつけた。

 さらに日本の攻勢が続く。安平が徹底マークされても7人攻撃を仕掛けてアウトナンバーを作り、前半ではもう1つ決定力を欠いてたサイド治田が蔦谷の速攻を挟んで3得点をマーク、52分27ー18として日本にビッグウエイブをもたらせた。

 日本は終盤に入っても攻撃の手を緩めず、朝野のポストプレーや清水の連打、残り1分を切ってから窪田がステップシュートを豪快にしゃくり上げ、31ー22と9点リードを奪ってタイムアップ、勝利の雄叫びをあげた。

 60分を通して集中力を途切らせない攻守一体となった素晴らしい戦いぶりだった。オフェンスは31/52で60%のハイアベレージで得点につなげ、石濱が10/23の43%、高木も5/12の42%と両GKがベンチの期待に応えたのも大きかった。MOMは縦横無尽のゲームメイクで攻撃陣をリードした安平が選出された。

2年間こだわってきたDFがしっかり機能

 植松監督は「完璧に近い試合でした。とにかく2年間こだわってきたDFがしっかりと機能しました。攻撃力が高いチームなので堅い守りからリズムに乗る戦術がハマりました!とにかく最高です! 明日しっかり休んでアイスランド戦に備えます」と言葉を弾ませた。

 エイトファイナルの相手はD組3位のアイスランド。14日(水)の16:15(日本時間23:15)スローオフだ。列強の国々がひしめくこれからが本当の勝負だ。がんばれ植松ユースJAPAN! 熱く、熱く応援エールを送りたい!!

北マケドニア戦のフルマッチ映像