アイスランドと壮絶な打ち合い
北マケドニアを撃破した日本はこの試合も好スタートを切った。
藤川のカットインで先制したあと吉田のポストで7mスローを奪い、これを安平が決めて2−0。アイスランドに1点を返されたものの治田のリバウンドシュートに続いて可児のカットインが退場つきの7mスローとなり、安平の一投で6分までに4ー1と優位に立った。
この間、アイスランドのポスト、サイドからのノーマークをシャットアウトしたGK高木の活躍も光った。
ここで一気にたたみかけたかった日本だが、ゴールインかと思われた藤川、蔦谷のシュートがオフェンスファールになるなどで得点につながらず、13分までにアイスランドに4点を連取されて逆に1点を追う展開となった。
このあとも長身GKを擁するアイスランドDFを崩し切れず、サイドハンドからのステップ、クイックなど鋭いミドルを放つ相手に連続してゴールを割られ18分4ー8と劣勢が続いた。
3点ビハインドで後半へ
10分余り無得点が続いた日本は、ようやく19分に蔦谷がミドルを決めたあと、再び蔦谷の強打や治田のサイドで加点したが、ディフェンスで踏ん張れずに失点がかさんで24分7ー13と6点差まで水をあけられた。
しかし、日本も負けてはいない。28分過ぎにGK石濱のファインセーブから清水の速攻で加点すると、吉田のポストや安平の2本の7mスローを含む3得点で追走し、13ー16まで詰め寄って後半の反撃に望みをつないだ。
後半がスタート。アイスランド・Runarssonにこの試合6点目となるミドルを打ち込まれたものの、蔦谷のミドル、朝野の速攻で32分15ー17と2点差に迫って日本の反撃ムードが高まったかに見えた。
しかし、このあと得点の応酬が続く中、相手CPが4人になるパワープレーチャンスもありながら36分16ー19、38分18ー21とアイスランドの先行を許し続けたのが惜しまれた。
そして、42分過ぎからサイド、ポストを破られ、パスの乱れも逆速攻につながって手痛い3連続失点を喫してしまう。
日本も蔦谷が気迫のミドルを連続して打ち込むも、すぐさまアイスランドに2点を返され、13分のタイムアウト後にも速攻ゴールを浴び、20ー27とこの日最大の7点ビハインドをつけられた。
懸命な追撃もDFで踏ん張れず
それでも2大会連続してベストエイト進出を狙う日本はここで引き下がるわけにはいかない。吉田のポスト、蔦谷のクイックからのミドル、可児のサイドなどで加点。17分過ぎには可児の不可解な退場があったが6人攻撃から安平、清水が連取して19分25ー30と懸命に追走した。
終盤残り10分は両チームの壮絶な打ち合いとなり、日本は蔦谷、可児、藤川らで相手ゴールに襲いかかったが、アイスランドのRunarssonのシュートをどうしても止められない。彼をマークに出ればポスト、サイドと切り返され、54分27ー31、56分29ー33と相手の背中を捉えきれずに時間が流れた。
残り2分から藤川、可児、榎本で加点したが、捨て身のプレスディフェンスを2本、3本と突破され、34ー39とアイスランドに5点差をつけられての悔しい敗戦となった。
「死ぬほど悔しい!」と植松監督
「39失点は多過ぎました。相手のテンポに合わせる形で自らのDFのリズムを崩され、ディスタンスとポストどちらかに絞り切れなかったことが敗因の1つだと考えています。
レフェリーについてはとくになにも言いたくありませんが、とてもストレスでした」と試合を振り返った植松監督は「死ぬほど悔しいです。勝たせてやりたかったし、勝てる試合でした」と無念の表情を浮かべた。
だが、その視線はしっかり前を向いていた。
「選手たちは最後まで諦めずに戦う姿勢を崩さなかったことには誇りに思います。プレス、観客、相手国のファンからも日本チームのハードなDF、多彩な攻撃、闘う姿勢に対して大きな賛辞が贈られたことは、選手たちにとって間違いなく大きな自信になり、チームを率いた私にとっても喜ばしいことでした。
明日のクロアチアとの9位決定戦は気持ちを切り替え、男子ユースチームの集大成として、必ず次につながる素晴らしいゲームをしてくれることと信じています」と言葉を続けた。
集大成で臨むクロアチア戦に熱いエールを
そう、少しも内容は負けてはいなかった。4勝をあげて史上初の2位通過を果たした予選ラウンド5試合を含め、今大会の果敢な戦いぶりは誇らしくもあり、賛辞の言葉しか見当たらない。
残るはあと1試合。クロアチアとの9位決定戦に臨む植松ユースJAPANを力いっぱい応援したい。本日16:15(日本時間23:15)プレーオフだ。
アイスランド戦のフルマッチ映像↓