強豪クロアチアに劇的勝利!

立ち上がりクロアチアに3点を先行された日本は、安平、蔦谷らのシュートがゴールを割れずに重苦しいスタートだった。
ようやく4分に先発起用に応えた左腕・梶山がサイド上がりからミドルを打ち込んで加点した日本は、クロアチアの大型ポストを軸としたプレーに失点を許すも、蔦谷の鋭いミドルシュートに加え、司令塔の安平からポスト吉田、左バック藤川へのパスプレーが連続して決まり、追撃態勢を固めた。

14分8ー10の場面で可児が退場するが、GK石濱がサイドシュートをシャットアウトしてピンチをしのぎ、クロアチアが1点を加えたのに対し、またもや安平から吉田へのキラーパスが通り、蔦谷も豪快なミドルを決めて10−11と混戦に持ち込んだ。

安平の活躍光り前半を3点リード

そして可児が復帰した直後に安平→吉田のホットラインで11ー11の同点に追いつくと、その後は藤川のミドルに続き、パスすると見せかけてのフェイントカットイン、さらには190㎝クラスの高い壁の上を撃ち抜くミドルと安平が鮮やかに2点を連取。
そんな魔術師を思わす安平のプレーにペースを崩したのかクロアチアにミスが目立ち、前半終了間際のタイムアウト後に蔦谷がミドルを決めた日本が18−15と3点リードで折り返した。

終盤は1点めぐり息詰まる攻防

後半がスタートしてクロアチアに1点返されたものの、蔦谷や藤川のミドルに加え、清水、治田のサイドコンビが角度のない位置からゴールを決め、逆にクロアチアのサイドを連続して阻んだGK石濱の活躍もあり9分24ー20と優位をキープした。

しかし、クロアチアも世界屈指の強者だ。大きくバスを振ってのカットインやサイドなどでジリジリと差を詰め、蔦谷、藤川のミドルが単発に決まるだけの日本は次第に守勢に追い込まれていった。

そして、27分29ー29の同点となって、いよいよ正念場! ここで、どうしてもクロアチアを倒して結果を得たい日本は安平がミドルを決めて勝ち越したのに対し、クロアチアもカットインでゴールを奪い、少しも譲らなかった。

運命の一投を蔦谷がゴール!

残り2分からの息詰まる攻防は両者とも決め手を欠いて得点できずに30−30の同点で60分が終わり、大会規定により7mスローコンテストで決着をつけることになった。

先行の日本、後攻のクロアチアとも1本ずつ外して6投目からサドンデスに。今度は先行となったクロアチアがゴールを決めて日本にプレッシャーがかかったが、安平が少しも動じずにきっちり左隅に打ち込んだ。
そして7投目。クロアチアの左腕がゴール外にミスショットしたあとで運命の一投を託された蔦谷がGKの右脇下を撃ち抜いてゴールイン! すぐにも選手たちの輪に植松監督、吉田、大房両コーチ、渡部トレーナーも飛び込んでひと塊りになって勝利の雄叫びをあげた。

2年間の集大成を見事に結実

「本当に嬉しいのひと言です。昨日の悔しさから切り替えて、このタフなゲームを戦い抜いた選手たちは本当に逞しく頼もしいです。
やはり、こだわってきたDFが前半途中から機能し始めて波に乗れました。
ユースチーム2年間の集大成のようなゲームでした」と手放しで喜びの言葉を口にした植松監督だった。

クロアチアとの激闘を制した日本は9位にランクインして全日程を終えた。予選ラウンドの4勝にこの価値ある1勝が加わっての5勝は植松ユースJAPANの大きな勲章とも言える戦果だ。惜しみない賛辞を送りたい。

クロアチア戦のフルマッチ映像