オマーンでのアジア男子ジュニア(U-21)選手権決勝。韓国とのラストファイトに挑んだヤングJAPANは延長の末に惜しくも2点差で敗れ、アジア初制覇はならながった。

それでもこの韓国と激闘を演じた決勝戦、そして今大会の果敢な戦いは見事のひと言。若武者たちの健闘に大きな感動を覚えた。よくやった! 「ありがとう!」の言葉しか浮かばない!

韓国とのラストファイトで大激戦

末岡の気迫のミドルで先制点を奪った日本は髙野のポストや矢野のサイド、GK中村光の神がかりのファインセーブ連発もあって10分5ー2と最高のスタートを切った。

このあと矢野のポストで6ー2としたが、日本の生命線とも言えるポスト髙野へのパスプレーを徹底マークされ、ターンオーバーが続いて韓国に5連取された。

18分6ー7と逆転された日本は徳田のミドルで同点に追いついたものの、その後は小さなミスが失点につながって9ー12と3点ビハインドで前半終了。

それでもGKを軸にセットDFはしっかり守れていた日本。攻撃ミスからの速攻の失点を最小限に食い止めれば必ず後半に勝機が訪れるはずだった。

そんな期待通りに髙野のミドルで後半を滑り出した日本は、徳田の連打に髙野のポストも決まり、10分13ー12と逆転に成功した。

この間、後半からゴールを守った堀田の活躍が光り、ヤングJAPANに勢いを与えたのが大きかった。

勝利を目前にするも延長に

ここからは韓国に同点を許しても、その度に日本は末岡の連続カットインや髙野のポストや矢野のサイドなどで先行を続け、22分には阿部の速攻で20ー18と2点リードした。

こうなれば試合の流れは日本のもの。韓国に1点差に迫られても阿部のロングや徳田の気迫のミドル、さらには堀田のファインセーブもからめ、27分を過ぎて22ー20と勝利はすぐそこに迫っていた。

しかし、このあとの1点が奪えず、韓国に残り20秒からの同点打を含めて2点を献上して延長に持ち込まれた。今大会、全勝街道をひた走ってきた韓国は実にしぶとかった。

紙一重の差でアジア初制覇逃がす

そして延長に入り韓国に先行を許した日本は、髙野のポストや徳田の7mで必死に食らいついたが、24ー24で迎えた後半開始早々にノーファールと思えた大杉のプレーが退場となって7mスロー。さらにはルーズボールで競り勝った髙野がファールを取られたり、韓国DFのシュミレーションに見えた徳田の速攻プレーもオフェンスファールを吹かれるなど、韓国寄りのジャッジが続いた中で手痛い2点を奪われた。

それでも徳田のミドルで1点差に迫ったが、同点を狙った最後の一投が韓国GKに阻まれ、韓国に追加点を許したところでタイムアップのブザーが鳴った。

25ー27。無情な幕切れにコートに崩れ落ちた日本セブンは悔し涙を流し、すぐさま歓喜の輪を作った韓国との明暗がくっきりと分かれた。

悔しさバネに世界舞台で躍動を

紙一重の差で夢にまで見たアジア初制覇はならなかった。

しかし、この決勝戦と今大会の果敢な戦いぶりは見事としか言いようがなかった。

アジアジュニアの決勝進出も史上初。昨年の世界ユース選手権でベスト入りして日本の歴史を変えた俊鋭たちだ。必ずやこの悔しさをバネに来年の世界舞台で雄々しく戦ってくれるに違いない。

フランスやデンマークで活動する部井久アダム、藤田龍雅らもヤングJAPANにたくましさを注入するはずだ。

感動をありがとう! 堂々と胸を張って日本に帰ってきてほしい。あくなき闘争心を燃やしてしゃにむに戦い続けた君たちの姿は、我々の誇り以外のなにものでもないのだからーー。