歴史が動いた! ーー世界学生選手権で女子U- 24が素晴らしい快挙を成し遂げた。ハンドボール史上初めての「世界」大会で金メダルに輝いたのだ。
ブラジルとの決勝戦を再現してみよう。

歴史が動いた!  

 立ち上がりから動きの固い日本はノーマークなどのシュートがことごとくゴールを捉えることができず、初得点は8分過ぎの中山のゴール。
それでもDFのがんばりで僅差で食らいつき、近藤のスピード速攻が連続して決まり、11分4ー3と逆転すると、その後は互いに点を奪い合っての主導権争いがしばらく続いた。

 高い壁を形成してのパワフルな展開が強みのブラジルに対し、機動力を生かした攻守で勝負する日本と、それぞれ対照的な両者の戦いはブラジルが11ー10と先行して前半を折り返した。

後半一気にギアチェンジ!

そして迎えた後半、日本がギアチェンジして一気にペースを上げる。
ともに1点ずつ取り合った33分過ぎ、日本が近藤の速攻に端を発し、服部の7mスロー、堀川の速攻、中山のロングなどで41分までに5点を連取。この間に松本が退場したピンチも感じさせない見事な集中打だった。

このあとブラジルに7mスローを決められたものの、松本、服部の両サイドがコートを疾走して3連取。GK馬場の堅守も冴え渡り、45分19ー14とした日本セブンのボルテージがグンと高まった。

それでも予選リーグ最終戦ではスケール豊かなブラジルに終盤突き放されて24ー29と苦杯をなめていただけに油断は禁物。 さらなる追い討ちゴールがほしかった。

機動力生かし攻守で頂点に!

そんな期待に応えたのが新鋭の中山だ。先の世界ジュニア選手権でも大活躍した新鋭ヒッターがセンター谷のパスを受け、けれん味なく強シュートを突き刺した。

なおもブラジルに1点を返された49分過ぎに豪快なロングを叩き込み、直後にはブラジルのパスミスを服部の速攻につなげて21分22ー15とした。
イケるぞ! 勝てるゾ!

その後もフットワークを生かしたDFとGK馬場の果敢なセーブが光る日本ががっちりと主導権をキープ。中山から服部に渡るパスプレーや近藤の速攻などで着実に得点を積み上げ、終わってみれば27ー19の圧勝で夢にまで見た金メダルを手中に収めた。

2年前の韓国での前回は僅差で金メダルを逃し、悔しさを噛み締めた楠本監督のもと、捲土重来を期したU-24セブンが鮮やかな大輪の花を咲かせた。

2020東京に大きな収穫!

この年代にはヒザの故障で戦列を離れているがフル代表でも結果を出した佐々木や1学年下の渡部、青ら素質豊かなシューター陣が顔を揃える。
いずれもケガで出遅れた誤算があったが、まさしく彗星のように鮮烈な光を放った中山の躍動が前途を明るくさせた。
まだ大学2年生、伸び代の大きさは、そのままおりひめJAPAN のパワーアップにつながるだろう。

男子も史上最高位の3位表彰台で胸を張った。2020年東京を2年後にして、これ以上ない大きな収穫を手にした世界学生選手権だった。