ジャカルタ・アジア大会男子2次リーグ最終戦で勝点1のサウジアラビアとイラクが20-20と引き分けたことで同グループの日本(勝点3)を上回ることができず、強豪カタール戦を前にして日本の準決勝進出が決定した。
カタールとの試合は前半の3点ビハインドをGK甲斐(写真)の大活躍などで懸命に追撃したが、帰化選手を擁して世界トップクラスの実力を持つ相手に17-24と苦杯をなめた。

しかし、ダグル監督の狙いは「準決勝で勝つこと一点」にあったことは明らか。黒星続きの苦境から自らの力で這い上がった男たちと指揮官との一丸ムードがはっきりとうかがえ、27日の準決勝は期待感が大きく膨らんできた。がんばれニッポン! 彗星JAPANを熱く応援するのみだ(写真はいずれもAHFツイッターから転載)。

相次ぐ激闘を乗り越えて

アジア大会男子2次リーグ最終戦。カタールに前半10ー13と3点先行された日本は、後半に入って必死に追撃したが守護神サリッチに代わったストヤノビッチに要所のシュートを再三阻まれたのが痛く17ー24で敗戦を喫した。

それでもダグル監督の狙いが「準決勝に勝つこと」だけにあったの明らか。今大会好調の渡部、東江、新鋭の吉野、GK坂井らを長く起用せずにベンチに温存させ、それで出場機会を得たGK甲斐や東長濱らの活躍が光った。とくに神がかりのようなファインセーブ連発を見せた甲斐の働きは圧巻で、準決勝に向けて戦力に厚みが加わったのは確かだろう。

狙いはバーレーン戦の勝利一点に

27日の準決勝の相手はグループ2組1位のバーレーン。この1年の国際大会で3回対戦しているほかトレーニングマッチでも手合わし、白星こそ手にしていないが相手の戦力、戦い方などすべて手の内に入っているはずだ。

ダグル監督が就任以降、国際戦で黒星ばかりが先行し、2020年東京に向けて暗雲が漂っていたかに見えたが、このアジア大会に入って韓国、サウジアラビアに引き分け、イラクに3点差の辛勝と、すべて負けてもかしくない試合を、粘り強い戦いで勝点を積み上げていった。

負ければ奈落の底に突き落とされる状況下だったが、ライブ配信された選手たちの戦いぶりや表情など、チーム崩壊のようにも見えた今年1月のアジア選手権当時とは大きくかけ離れていた。戦いにくいのは間違いなくバーレーンの方だ。

伝えよう日本ハンドのがんばりを!

ようやくダグル監督のもとチーム一丸の結束力がはっきりとうかがわれ、まだ充分ではないもののディフェンスのまとまり、攻撃の確実性、多彩さも生まれてきた。

強敵には違いないバーレーンと言えども「なんとかしてくれそう」という戦う集団としての期待感が溢れてきた日本男子だ。

27日の準決勝は中国と対戦する女子ともども揃って「メダル確定!」のニュースが国内外に駆けめぐってほしいもの。

私たちにできるのは応援あるのみだ。日本代表のがんばりを多くの人に伝え、そして「がんばれニッポン」の熱い声をジャカルタの彗星JAPANのもとに届けようではないか!

新鋭・吉野の躍動ぶりにも注目