なぜこんなにもパスが速いのか!
昨年の4月にデンマークに来て、すぐに感じたのはパスの速さでした。
パス1本でチャンスをつくるシーンを何回も見てきました。
「なぜこんなに速いのか」
僕なりに考えてみました。
投げ方の育成方法などが確立されていることは事実です。
ただ、それだけでは、速く投げれるようになれても、実践で他の国を凌駕するものにはならないと思います。
デンマークのオフェンスの特徴は、日本に比べてバックプレイヤーのポジショニングはゴール(ディフェンス)に近いです。
そして、日本の選手ほどスピードを出しません(もちろん、それでも十分にロングシュートが入りますが)。
「速いパス」ができる戦術
オフェンスの入りは、ほとんどフォーメーションで入ります。そのフォーメーションでシュートまでいかないケースも多いのですが、その後のフリーのオフェンスでは、「人とボールがほとんど同じ方向」に動きます。そしてパスの速さにはこだわります。
何が言いたいのかというと、
「速いパス」ができるような戦術なのです。国として「速いパス」を戦術として優先するから、それができるようなオフェンスになるのだと思います。
例えば、日本人の選手のように、距離をとって(遠くから)、スピードをつけてプレイすることをデンマーク人の選手に要求したら、ここまでの速いパスは成り立たないと思います(ミスの回数が増えるのではないかと思います)。
「何をとるのか」が最優先!
すべてにおいて、いつもお伝えしますが、どちらが正しいのかではなく、デンマークやヨーロッパの戦術はいいとか、すごいとか、だから真似した方がいいとか、そういうことではないと思っています(もちろん必要なことはとり入れるべきですが)。
国(チーム)として何をとるのか。
僕たち指導者はチームをつくっていく上で、この「何をとるのか」、「とるもの」を誤ると結果は出なくなります。
自分のチームにロングシュートが得意な選手がいないにもかかわらず、ロングシュートを試合でたくさん打たせるような戦術をとったら、負ける確率が上がります。
真似ではない日本スタイルの確立を
ヨーロッパの強国相手に対等に戦えるようになるために…
真似ではなく、日本スタイルを確立することが大切だと思いました。
ラグビー日本代表監督を務め、南アフリカに勝利したエディー・ジョーンズ監督の言葉です。
「日本人だから勝てた。」
「日本人の強みを伸ばせば、十分に世界と戦えるチームになる!」