見出しは「ダバシュの日本人ハンド選手、チームメートは悪いスラング教え込む」です。ハンガリー在住の鷲尾亜子さんの翻訳(一部意訳あり)でご紹介しましょう。「Bors」のwebサイト記事

==徳田新之介選手 ( 23 ) は、ハンガリー語と格闘中だが、スラングを使って監督を驚かせたことも==


開口一番、監督にスラングを

「トゥキ(Töki)」の愛称で知られる徳田選手(RB)は、ハンガリーハンドボール1部リーグのダバシュ(Dabas)チームに入り2シーズン目。1月の世界選手権でも活躍した。

チーム参入後、彼が初めて口にしたハンガリー語センテンスは、“ Fújjad már le b…. meg! ”だった。(訳註:   もう終わりにしてくれ!という意味ですが、汚すぎる言葉なので直訳は控えます)

トモリ・ジューズー監督はその時を振り返り、こう語る。 「あれは、トゥキが、まだここに来て2カ月くらいの時だった。その日は、ものすごく長いトレーニングをしていた。そうしたら、チームメート達がこの言葉を彼に教えたんだ。僕はただ笑って受け止めたよ」

ハンガリー語とは今も格闘中!

ダバシュ市民は、徳田選手をすぐに暖かく受け入れた。彼自身も、この小さな町での生活を気に入っていると言う。ただ、ハンガリー語とは今も格闘中。助けを求めてよく電話をかけていた。


「英語ですら難しかったのに、ハンガリー語はなおさらのこと。もうまったくダメ。例えば、母音のŰとŐの区別は全然つきません。チームメート達はそれを面白がって、僕をよくからかうんです。でも全く気になりません。むしろ、一緒に笑っています!」

鹿肉の煮込みがお気に入り

チームはいつも、地元のDabas Hotelのレストランで昼食をとることになっており、トゥキがよく注文するのは、“szarvas- pörkölt(鹿肉の煮込み)”。
その後のデザートの定番は、カフェオレに、“somlói galuska”(お酒を染み込ませた3種類のスポンジに生クリーム、チョコレートソースたっぷり)。(訳註:どちらも、カロリー爆弾として知られるハンガリー伝統料理です)

勧められるとなんでも…

チームキャプテンのホッロー・バラ―ジュ選手(GK)は、トゥキについて冗談交じりに次のように述べた。


「彼は、すぐにチームに馴染んだよ。僕らはまず、紙にはとても印刷できないような言葉を教えたんだ(笑)。もちろん、基本用語も教えたけどね。
彼とはとても良い関係をつくれているよ。試合に勝った後のリラックスで、一緒に釣りにも何度か行った。トゥキはとても礼儀正しくて、勧められたものはなんでも受け入れる。そうやって僕らは彼に、pálinkaやTátratea ( * ) も飲ませたんだ。そうしたら、『水みたい』だって!」( *  pálinka=パーリンカは、ハンガリー国産の果物で作られる蒸留酒。Tátratea=タートラテアは、隣国スロバキアのお茶をベースにした蒸留酒。どちらもアルコール度数がものすごく高いことで知られています)

伝わってくる愛されぶり

翻訳していただいた亜子さんによれば「もうちょっとハンドボールでの彼の活躍も書いて欲しかった気がするけど、知名度が上がるのは良いことですよ。このBorsは国内2大大衆紙の1つですから。彼の愛されぶりが伝わってきます」とのこと。

今週末にはダバシュのホームゲームがあり、亜子さんも応援に駆けつけるとのこと。スカッとしたチームの快勝、そして徳田選手活躍のリポートを期待したいものです。