おりひめJAPAN応援の熊本から帰っ2日目の朝、こんな素敵なFacebookメッセージに心が打たれました。味の素トレーニングセンター(ATNC)で各カテゴリーの代表選手をサポートし、選手たちから「トレセンの母」と呼ばれる河上千秋さんの熱き想い。すべてのアスリート、ハンドボーラーに共有してほしいとHANDBALL@STATIONでシェアさせていただきました。

現役にこだわる姿勢

現役にこだわる…ある選手の姿勢

韓国との決勝戦が終わり帰り支度をして選手たちに最後のあいさつをしようと待機場所へ。

このことを書こうかどうか随分迷った。
この時の出来事は、これからハンドボールや全てのスポーツに向き合うアスリートの姿として書かずにいられなかった。

ベテランの一人の選手の姿に言葉をなくした。

今大会ずっとベンチ入りすること叶わず、選手のサポートに徹してる一人の選手の姿に。

ひと通りの選手用のアイシング用のケアグッズや補食 を率先して若手の選手とともに準備してる姿にだ…。

あと少しだったのに…

「お疲れ様。」って彼女のそばに行くと。

「河上さん…」一言つぶやいて
「あと少しだったのに…悔しいけど仕方ない…」とつぶやいた彼女は私とハグした。

彼女の声は震えてそして涙ぐんでた。
いつも冷静でみんなのお姉さん的存在、
私は彼女を年の離れた妹の様に思ってた。
そんな彼女の瞳からたまらず流れた涙に私も流れる涙を止めることが出来なかった。

始めは今回の敗戦を悔しく思う涙かと思ったが…
彼女のあと少しだったのに…というのは私もあと少し力があればあのコートに立てたのに…という涙だった。トレセンでの合宿中、彼女とは引退後は何をしたい?これからの人生設計は?ってよく話してた。
職場でもある程度の信任を得る立場で、人生のほとんどを現役にこだわり、2020のコートに立つことを目標にハンドボールに賭けてると言ってた。

私はコートに立ちたいだけ!

ストイックに体と心のコンディショニングに自ら淡々と取り組む姿は美しく
よくありがちな年齢や人生経験をもとに
変に達観してる様な姿勢を微塵も感じさせない。
震える背中を抱きしめさすりながら、
「あなたの姿勢やそのストイックなまでの背中は必ずや、若手のお手本になるよと
その姿勢は本当に尊い」と伝えると…。

「私はただハンドボール選手として
みんなと対等にパフォーマンスにこだわりたいだけ。コートに立ちたいだけなんです…誰かのためでなく自分のために現役にこだわってるだけなんです」と返ってきた。

今日そのことをNTCでリハビリに取り組む、ある代表選手に伝えたら…
ベテラン選手とともに世界を戦ってきた彼女は私に「その言葉聞いて安心した。私もこだわり続けるよ」ってその瞳に力が宿った。

おりひめには素敵な娘がいっぱい

韓国、欧米、中国列強の選手との力と力のぶつかり合いを征するために、より科学的に戦術的に組織的に取り組むことはとても大切。

でもね、勝った負けた、強い弱い、速い遅い等そんな数値的に判断できることでなく、
この様な一人一人の選手の姿が想いが確実に未来の子供達、生きることに迷った若者たちに無言のパワーを与えてくれる。
誰かのために、そして自分のために意味のある生き方をしたいと願う人々の心に…。

彼女は確実に私の中でのMVPだ!

引退後は何をしたい?

その答えに彼女は「お嫁に行きたい。そしてハンドボールに携わる仕事したい」って。

そんな彼女は誰よりも美しい。

おりひめJAPAN はそんな素敵な娘がいっぱい!