暦が４月に変わって新年度がスタート！ アメブロから引っ越したこの「HANDBALL@STATIONブログ」も半年になろうとしています。
ハンドボールの情報基地を期しての再スタートでしたが、思うように更新ができず、とても素敵な話をお届けするタイミングをいくつか逸してきました。そんな中からいくつかピックアップ話題を織り込んでお伝えしたいと思います。ちょっと時期は遡ってしまいますが、とてもハッピーなものばかりです！
平昌五輪開会式での驚きのシーン
さて、今回はとても懐かしい人からのLINE情報から始まります。２月20日のことでした。
「こんにちはー！ お久しぶりでございます?！
じつは最近、ビックリすることがあって、しかもそれはハンドつながりだったので、報告ではないけれど聞いてもらおーかなーと思い、LINEしちゃいましたー」
そのLINEの主は広島の山陽女子高から日本リーグのジャスコ（三重）でプレーした稲田知鶴（現性・田中）さん。両チームとも今は存在しませんが、それぞれ球界のトップゾーンにあった名門で、彼女は174㎝の長身ポストとして活躍していました。
「どんなこと？」と聞いたら、「平昌オリンピックの開会式（２月９日）で、なにか気づいたことなかったですか？」と問いかけられました。
ピーンと来て「開会式の映像でイム・オギョンを見たって話を聞いたけど…」と返したところ、「わ～！ 出ちゃった！」となってこの写メが送られてきました。
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イムさんが国旗を手に行進
オリンピック開会式で韓国の国旗を持って行進していた８人の中の１人がイムさん（右側の最後尾）でした。
いずれも韓国の有名アスリートばかり。その中にあってオリンピックや世界選手権でいくつものメダルに輝き、ハンドボールの世界ＭＶＰにも輝いたイムさんは韓国スポーツ界に堂々たる実績を残した価値ある女性だったのです。
「テレビのアナウンサーが最後に『ハンドボールのイム・オギョンさん』とキョン（イムさんの愛称）を紹介したんです。テロップも流れましたよ」と知鶴さん。
そのあとに「私、ジャスコやめて広島に帰ってから、イズミ（広島メイプルレッズの前身）に入ったキョンと短い期間だけど一緒にプレーしていたんですよ」とコメントが続きました。
そんな彼女に私が返送したのがこの写真！ その１週間ほど前にFacebookでアップした韓国・水原（スーオン）での１枚で、後列左から２人目がイムさんです。
伝説の名手と韓国で再会！
１月24日から26日まで日本男子の応援で韓国のアジア選手権出かけた最後の晩のこと。私たちハンドファミリーに杏利パパのダニエルさんが加わったメンバーで食事をしていたら、「私のことを覚えていますか？」と声をかけてくれたのがイムさんでした。
まさに奇跡的な巡り合わせ！ それも彼女の方からのアプローチだったので、こんなにも嬉しい驚きはありませんでした。
知鶴さんから「すご～い！」と返信があったあとは、お互いの近況や当時の思い出など、嵐のようなチャットのやり取りが続きました。
そして「もう、手が痛くなっちゃいました」と根をあげた（笑）彼女から電話がきて、それからも30分近く話が弾み、楽しい時を過ごしたのです。
鮮やかに蘇る25年前の思い出
話を要約すると、ジャスコを引退して郷里に戻った知鶴さんが広島クラブ（現在は瀬戸内レディースに改称）に在籍していた時に「ウチのメンバーに来てほしい」とイズミからの要請があり、イムさんと１年間いっしょにプレーしました。
それが1993年のこと。そのチームが日本リーグ７連覇など女王を謳歌するまでになろうとは「夢にも思っていなかった」そうです。
そのときは広島に本社を置くスーパーマーケットチェーンのイズミにハンドボールチームを作る前段階でした。
筑波大卒のルーキー長久直子さん以外は目立った全国キャリアがあるわけでなく、高校を出たての若い選手が数人だけでチーム編成はままならなず、そこで知鶴さんらの広島クラブと合同チームを組み、「広島イズミクラブ」として活動をスタートしたのです。
広島クラブのメンバーは知鶴さんより上の年代の教員選手が多く、そんな中に韓国のスーパースター、イム・オギョンさんが加わりました。
変わらぬ友情に感謝！
「キョンと一緒にやれるってなったときは、メッチャうれしかったです。だってメダリストですし、当たり前ですけど、すごくうまかったです。フォーメーションプレーなどたくさん教えてもらいました」と知鶴さん。
正式にイズミとして日本リーグに打って出るまで、いわゆる「つなぎ」のメンバーだったし、練習も体育館や公民館の半面だけという状況。でも、その１年間は「たくさんの思い出が凝縮しています」と振り返った知鶴さん。
イムさんとのプレーについて聞いてみると「ポストをやっていた私にとっては、すべてのプレーが目からウロコという感じでしたね。キョンからのパスは、いつ、どこから飛んでくるのかわからないし、それも目にも止まらぬほどの速さ！ でも、ポンと取りやすいところに来るので、なんとかキャッチしてシュートができるんです。
ジャスコ時代とはまったく違うハンドボールをやりながら国体や中国の国際大会にも出場できたりと、とても楽しい思い出になりました」と言葉を弾ませた。
「中国遠征した時に仲好しになって、それからいろいろな話をするようになりました。
そうそう、私が地元でスポーツしてた人をちょっと集めて、にわかハンドボールチームを作った時に、キョンに教えに来てって頼んだら、快く来てくれてたんです。みんなメダリストだって聞いて、すごくテンション上がったんですよ～！ またどこかでキョンに会いたいな～」
知鶴さんがイムさんと再会したのがこの写真。２年ぐらい前のヒロシマ国際でのツーショットだそうです。
現在のイムさんは韓国のトップチームでの１つ、ソウル市役所の監督を務めており、ますますの活躍が期待されている著名人ですが、知鶴さんとの仲は、25年前と少しも変わらない友情で結ばれているようです。