お隣の韓国が今回の日韓代表定期戦を含む「2018 HANDBALL SUPER SERIES」と銘打った国際トーナメント開催や情報発信などで日本を大きくリードしているのは事実。一方、日本が胸を張れるものがある。それは東京体育館を5000人の観衆で埋めたファンやサポーター、ファミリーの力だ。みんなが一緒になり、力を合わせていけば明るい未来が大きく開けるはず。そんな願いを「HANDBALL@STATION」ブログに込めました。

7日間の国際大会をやり遂げた韓国

6月25日に行われた日韓代表定期戦の情報を得ようと韓国協会のFacebookを覗いてみて色々なことがわかりました。

そして、韓国協会の意欲的な取り組みに感心せざるを得ませんでした。
まずは 「2018 HANDBALL SUPER SERIES」のポスター画像をご覧ください。

「プレミア6」として男子は韓国、バーレーン、オランダ、女子も韓国、ウクライナ、スウェーデンと強豪3カ国の2回戦総当たりの国際トーナメントが16日から22日まで6日間の日程で開催されていたのです。

「KOREA- JAPAN CLASSIC MATCH」として行われた25日の日韓定期戦は、そのSUPER SERIESのフィナーレを飾る位置づけでした。

つまりは日本男女のほか4ヶ国の代表を招いて7日間の国際トーナメントをやってのけた韓国協会のパワーは、いかにSK財団の後ろ盾はあるにせよ、すごいと言わざるを得ません。

また、日韓戦の映像で確認したところレフェリー、TDなどの主要なオフィシャルはヨーロッパなど韓国以外からの人材を担当させていました(JAPANカップはすべて国内スタッフで対応)。

ファン獲得の施策も急ピッチ

さらに注目されるのはアリーナ外で親子で楽しめるスペースを設けたり、ハンドボール界のレジェンドによる始球式や監督とのイベント、そしてハンドボール国家代表サポーターズ「Hアベンジャーズ」募集案内があったことです。

ペアで入会(3万ウォン)すると韓国代表のユニフォームをもらえたりと魅力的なキャンペーンがアナウンスされていました。

私の知るところ、韓国は国家レベルで集中強化をするために競技人口は極めて少なく(2000人程度)、そのためいくら国際的な実力が高くともハンドボール人気は低いものと思っていましたが、こんな取り組みを知ると、これから将来に向けての施策の中心に「ファン獲得」が据えられているように思えました。

ドイツ代表チームがJAPANツアーの様子を連日YouTubeチャンネルやツイッターで発信していたように、韓国協会もこのSUPER SERIESの様子を精力的にアナウンスしていました。

絶対に許されない「ファン不在」

一方、日本の場合はどうか?
なんと言っても16日のJAPANカップ東京大会でエキシビションマッチの東西学生対抗戦を最初から観戦できない入場者が3000人ほど出るという信じられない事態がありました。

大混乱を招いた原因はいろいろでしたが、ファンを「お客様」としてお迎えする気持ちが甚だしく欠けていたということ、そして日本協会が「1つの組織になりえていない」ことだと断言できます。

田口隆専務理事は今回の件に対して日本協会の公式Facebookページで陳謝し、直接本人の口からも「自分に全責任があり、この過ちをしっかり反省、検証して2度とこんなことを起こさぬよう、そしてハンドボールファンの皆さま方の熱く強い思いをしっかり受け止めて今後の協会運営を図っていきたい」という言葉を聞きました。

2020東京まであと2年。30日のブラジル戦を1つの区切りにして力強い再スタートを切ってほしいものです。もう立ち止まることは許されません。

日本が韓国をリードしているのは?

確かに韓国は力強く前に進んでいます。それに日本が追いつくのに時間がかかる部分がたくさんあるかもしれません。

しかし、韓国よりはるかに前に進んでいるものが日本のハンドボールにあります。それはハンドボールファン、そしてサポーターの力です。それは東京体育館に5000人が詰めかけたことではっきり証明できました。

協会スタッフとみんなが手を組み、大きなうねりにしていけば、もっともっと素晴らしいハンドボール組織ができるし、球界全体のムードが高まる期待感もふくらみます。

奇しくもこの6月30日には全国理事会と評議員会が開催されます。とくに評議員会は日本協会の最終決議機関でもあるのですが、そこでは間違っても時代を巻き戻し、さらなる混乱を生み出す事態にならぬよう良識ある声が多くを占めてほしいと願っています。

日本協会が第一にやらなければならないのは「組織を1つにしてファンと一緒に前に進むこと」です。それには猛省も必要でしょう。

組織を1つにしてファンと一緒に!!

湧永寛仁会長以下、今後の、未来のハンドボールを明るくさせることに全力を注いでほしいし、それがみんなの切なる願いです。

絶対に「ファン不在」など許されません。それができない方たちは、できる人、そして若く有能な人たちにその座を譲るべきです。

そんな日本協会と日本代表チームを、私たちハンドボールファン、サポーター、ファミリーみんなで力いっぱい応援していきます。

がんばろうハンドボール!! キーワードはやはりTOGETHERなのです!!