アジア王者バーレーンに雪辱果たす
蔦谷の先制ゴールでスタートしたバーレーン戦。開始6分3ー3と互角の展開から蔦谷の強打で勝ち越した日本は、その後も吉田の速攻、藤川のカットインやミドル、安平から可児へのパスフレーなどで先行を続けた。
そして16分、蔦谷の7mスローで9ー6とすると、バーレーンの退場で得たパワープレーチャンスに2点を連取。吉田へのポストパスプレー、自らのカットインと、いずれも安平の鮮やかな攻め技が日本に主導権をもたらせた。
これで17分11ー6と5点リード。高い位置でフットワークよく動き、容易にシュートまで持ち込ませないDFの集中力も光った。
光ったディフェンスの集中力
このあと吉田のポストや蔦谷のステップ、可児のサイドなどで21分12ー7、25分14ー9と優位をキープした日本。このまま突っ走りたかったが、26分のタイムアウト後に2点を奪われた。
前半残り5分あたりからトップを高く上げたバーレーンDFの前に得点ペースが鈍り、終了間際に山口が退場していたことから後半出だしの攻防に不安がのぞいた。
後半がスタートしてバーレーンにサイド、カットインで2連取されたあと、さらに7mスローを献上し、朝野が退場となってピンチが広がった。
それでも、この7mスローをバーレーンが外した直後に左腕・榎本がサイドを決め、前半終盤から10分ほど無得点が続いていた重苦しいムードを断ち切った。
ここからバーレーン寄りに偏るジャッジに7mスローや退場が相次いだ中、藤川のカットインや吉田退場のピンチに蔦谷のループシュート、安平の速攻と貴重な2点を積み上げた。
13分18ー16、15分19ー17と息詰まる攻防が続いたあと、安平のカットイン、朝野のポストで19分21ー17とした日本に再び流れが傾いたかに見えた。
しかし、勝負はまだわからない。タイムアウトで態勢を立て直したバーレーンがカットインで2点を連取したあと、21分過ぎに日本は不正交代で退場者を出し、自らピンチを招いてしまった。
ピンチ救った藤川の気迫の一投
ここで日本を救ったのが藤川だ。この苦しい場面で果敢に前を狙い、ミドルシュートを突き刺してガッツポーズを突き上げた。
キャプテン朝野とともにチームを鼓舞する上級生の一投が日本のラストスパートに火をつけた。
54分に榎本のサイドで加点した日本は、バーレーンに1点を返されたが、25分23ー21の場面から相手退場のチャンスを見逃さず、蔦谷のアシストを受けた吉田がポストシュートを決めたあと、GK高木のファインセーブから山口の速攻で25ー21とし、大きく流れを引き寄せた。
バーレーンもミドル、サイドで2連取して必死に粘るが、58分30秒榎本がカットインからのループシュートを決めた。26ー23。これで勝負あった。
残り1分を切ってから1点を返されたものの、捨て身のプレスDFを仕掛ける相手の間隙を縫って藤川が27点目のゴールを決めて歓喜のフィニッシュ!
昨年9月のアジアユースで決勝を含む2試合に敗れていたバーレーンに雪辱を果たし、価値ある1勝をものにした。
選手、ベンチが一丸となって歓喜の勝利
「ホントにみんながんばりました。特に強化してきたDFを60分間徹底してできたことが勝因だと思います。
アフリカ人審判の変な笛や、中東独特のプレーに惑わされることなく辛抱強く戦ってくれました。明日以降も継続していきたいと思います」と植松監督。選手、ベンチが一丸となった熱い勝利に確かな手応えを感じたようだ。
第3戦は9日18:30(日本時間翌1:30)からアルゼンチンと対戦する。開催国の北マケドニアとの開幕戦を23ー20で制しており、ここ最近はジュニアなど若い世代の台頭で少しも侮れない相手。だが、ここを突破すればエイトファイナル進出に大きく近づくし、予選ラウンド2位浮上も視野に入ってくる。なんとしてもものにしたい一戦だ。雄々しく戦うユースJAPANに熱い応援エールを送りたい。
※アルゼンチン戦のライブ配信→https://www.youtube.com/watch?v=vU7TtiyAzXE