来年1月10日からドイツ・デンマークで共同開催される第26回世界男子選手権の派遣メンバーが昨日(12月17日)に発表され、その壮行会が味の素トレセン(ANCT)で開催された。
大方の取材を終えて出口に向かおうとした時に強化本部長を兼任する田口隆専務理事に呼び止められ、「この男を取り上げてもらえないか」と名指しで紹介されたのが岡元竜生(おかもと・りゅうせい)選手だった。
公式国際戦ゼロで大抜擢!
トヨタ車体ブレイヴキングスに加入して3年目の25才。10月のナショナルウイーク(各国が代表強化のために国内の大会日程を組まないようにするシステム)でヨーロッパ遠征したのが代表デビューとなり、今回の代表19選手の中で公式国際戦出場が唯一ゼロの男、それが岡元選手だ。
192㎝、96kgと豊かなスケールを持つ新鋭PV(ピボット、ポストマン)に自分の”売り”は、とたずねると、「OFではDFの裏を走ってボールをもらいやすいタイミングを作って得点チャンスにつなげたり、DFでは2枚目か3枚目を守り、素早い出足でアタックしてフリースローを多くとり、相手攻撃陣の流れを切るプレーです。これからは速攻の得点も増やしていきたいです」との答えが返ってきた。
ストロングポイントは機動力!
そんな機動力を生かしたプレーがストロングポイントであり、これまでの概念を変える新しいPVスタイルが、ダグル監督の目に止まって大舞台に抜擢されたのだ。
ハンドボールを始めたのは鹿児島県志布志高校から。「県大会の上位にも食い込めない弱小チームで大きいだけの選手」(本人)が、当時の中部大監督だった蒲生晴明さん(前日本協会副会長兼専務理事)にスカウトされて頭角を現した。
「声をかけられた時には、えっ、僕なんかがという思いでした。大学に入って蒲生さんからハンドボールのイチから教えていただき、一歩ずつステップを踏んでいきました。
1年ではリーグ戦出場などには縁がなく、2年になって少しずつ試合の感覚をつかみ、レギュラーとなった3年時でインカレ初優勝を達成できた時は本当にうれしかったです」
こうして日本代表に招集され、日本リーグでも出場機会が増えたてきたことで、今後の成長に弾みがつくことは間違いあるまい。
そのためにも、さらなるフィジカル強化、体格の向上が喫緊の課題と言えそうだ。
「今の96kgから102、3kgぐらいまでになりたいんですが、急に増やすと故障につながるのでじっくり取り組んでいくつもりです」と口にしたあと、「国内、海外を問わず目標にしているPVプレーヤーっているのかな?」と聞くと、「僕のようなタイプのPVはあまりいない感じなので、誰かと聞かれても、、、」と思案の表情を見せた。
めざせ自分流のPVスタイル
その視線の先には「新しいPVタイプをめざしたい」という自分なりの未来像があるように思えた。
いいじゃないか、それで! この世界舞台をきっかけにして、いろいろな壁にぶち当たりながらも、あらゆる経験を成長への力に変え、その名のとおり竜のごとく天高く舞い上がってほしい。専務理事の推奨株でもある。がんばれリュウセイ!